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2019-10-16 (Wed)

【官能小説】清楚で美人な女・・1/2

 女の白いブラウスを引き裂くと、淡い桃色のブラジャーが目に入った。黒いタイトスカートのホックを乱暴に外し、ストッキングを破り捨てると、小さなリボンの着いたショーツがあらわれる。

「意外とかわいいのを履いているじゃねえか」女は、そんな状態に陥っても、全く表情を変えはしない。それどころか、微かな嘲笑さえ浮かべている。「このやろう・・」自分は、女の胸の物に手を掛け、剥ぎ取った。




 そこには、充分過ぎるほど実った乳房がある。乳首は既に固く尖り、湿った光沢を湛えている。「着痩せするんだな」女は自分の声なんかに反応は示さない。ただ、成り行きに身を任せているだけだ。自分はそんな女の顔から目を放し、乳房に喰らいついた。

「あ、ああ」何物よりも柔らかで握った指がめり込んで行きそうだ。「あ、ああァん」乳首を口に含み、舌の上で転がす。唾液で滞れたそれは、別な生命体のようにそこに存在する。「ああ、いいぃ・・」女は早くも身悶えを繰り返していた。自分は右手をそっと下腹部に忍ばせる。

 薄目の茂みは、指に心地好い柔らかさを保っていた。中指で亀裂を探ると、そこは既に溢れんばかりに湿っている。「あん、はやくゥ・・」人差指は、突起部分を探り当て、軽く腹でなぞっている。そこは、より固く、大きくなり、部分の湿度は一層高まる。

「ああ、あ、お願い・・」自分は、女の後ろからショーツに手を掛けスルリと冷たい尻を滑らせた。難なく脱がされた最後の衣装は、ただの布切れとなって丸まってしまう。完全なる無防備となった肢体はこの世に存在する生命のなかで最も美しい。

 黒く長い、ウェーブのかかった髪。卵形の輪郭に品欲収まった顔。潤んだ瞳に、長い陣毛。小さく尖った鼻に小さな唇。美白な肌。長い手足。張り詰めながらも柔らかい胸に、くびれた腰、優しい背部。

 その総てをこれから自分が好きなように恥辱するのかと思ぅと、もはや、理性という言葉は二度と脳裏に浮かんで来ようとはしなかった。「早く、早くきてェ」女の少し高い、透き通るような声が身体に響く。

「よしっ!」自分は、いきり立った一物を右手に持ち、ぬめりの部分に亀頭をあてがった。「いざ」気合を込めて、腰を沈めようにした途端「ジリリリリリ!」

 枕元で狂ったように鳴り響く目覚まし時計の音で、自分は眼が醒めてしまった。目醒めのはっきりしない脳髄は、今だ両手の指先に夢の残り感を伝え、今にも爆発しそうな分身は、赤紫の亀頭を少し濡らしている。

「くそう」自分は、けたたましく鳴り続ける目覚まし時計を思いっきり叩き、現実のなかに身を押し込んだ。だるい午後。自分は、誰一人客の居ない喫茶店のカウンターのなかで、昨夜の夢のことを考えていた。

 二十二才になる今日まで、この手の夢、つまけ、淫夢というものは何度もみたことがある。十五の年、最初の精通があったときも、同じ様な夢のお陰だった。

 この辺りのところは、ごく普通の健康な男子として当り前のことだ。ただ、自分が普通でもないとするなら、二十歳になってから見るそれは、決まって一同じ女性で、同じ光景なのだ。それも、「いざ」というときに目覚めてしまう。

 つまり、自分は、夢のなかの憧れの女と、ただの一度も交わったことがないのであった。「一体、あの女は誰なんだろう。それにあの風景。あんな所に行ったことなんかないのになァ」

 寂れた漁師町。人一人居ない昼問の狭い路地裏。崩れかけた廃屋の間から、低い防波堤と砂浜が見える。なにげなしに歩いていると植木鉢の並ぶ家の前に、あの女性が立って居る。

死んだ町には似合わない、清楚な服装。目深に被った日除けの白い帽子は、レースの飾りが付いていて、眩しい陽光によく似合っている。小さな店のなかには、バイトの自分以外誰もいない。マスターは、昼食時の忙しさが終わると、さっさとどこかへ消えてしまう。

「カラン、カラン」その時、ドアの鐘が鳴り、一人の客が入ってきた。「いらっしやいませ」自分は、事務的に声を掛けると、汗をかいたグラスを持ってテーブルに着いた。「いらっしゃいませ。ご注文は?」「アメリカン」

 綺薦な声だった。小さいが、よく通る声であった。その女性客は、白い帽子を被っていて顔を見ることが出来なかった。「かしこまりました」自分が下がろうとすると、客は帽子を取りながら声を掛けた。

「煙草、置いてます~」「はい」自分は言い掛けて、女の顔を見た、言葉を飲んだ。女は、あの女であった。つまり、夢のなかに登場する女性そっくりなのであった。「じゃあ、マイルドセブンを」

 夢に出てきた女は目の前にいる女と何もかもがそのままであった。そして、自分の脳裏には、夢の通りであろう彼女の裸体が、生々しく蘇った。(このブラウスの向こうには、片手では余るほどの胸があって、くびれた腰の裏側を撫でると、突き抜けるような歓喜の声を上げる。そう、ある時は、その唇に俺自身を包み込み、長い足は、下品になる事なく大きく開かれる。)

 抜けるような白い肌は、いつしか薄紅に上気して、そして、俺は、俺は・・」「アッ・・」自分は下半身に血液が流れ込むのを知った。慌てて前を隠し、カウンターの中へと戻った。

 渡された煙草の封を、彼女は、その細い指で挟じ開ける。軽く一本取り出すと、おもむろにマッチで火を付け、唇に近付ける。「お待たせしました」自分は褐色のコーヒーが入った白いカップを差し出し、再び彼女の表情を覗いた。

 彼女は、自分には全く興味を示さず、二口三口吸っただけの煙草を黒い灰皿にもみ消し、砂糖も何も入れずにカップを口に運んだ。雨は静かに降っていた。流れるような音楽は、彼女が付けるマッチの音を掻き消すほど大きくはない。

 雑誌を読むではなし、外を眺めるではなし、彼女は紫煙をくゆらせながら、時たま、思い出したかのようにカップに唇を付ける。宙を泳がす瞳は微かに濡れている。組まれた足は、薄色のストッキングに包まれ、足首の細さが印象的である。暫くして、彼女はトイレに立った。

(いい女だなァ・・見ているだけで・・)自分は、再びいきり立とうとする物を必死に気を逸らし静めようとした。戻った彼女は、一旦は席に着いたものの、直ぐに立った。

「あ、ありがとうございます」自分は、彼女から勘定を受け取った。その時、彼女からは、来た時には漂わなかった香水の香りがした。「この香り」思わず声を出した自分ではあったが、彼女は何食わぬ顔をして店を出て行った。

「この香りは・・」一人残された店内で、自分は必死に記憶を辿っていた。母親が付けていたものでもない、昔付き合っていた女が付けていたものでもない。しかし、確かにどこかで鼻腔をくすぐった香りでのある・・。

「いつ、どこでだったんだろう」灰皿のなかに残されたルージュの着いた吸殻を見詰め、カップのなかに少し残されたコーヒーを見詰めた。思い出せない過去は、灰皿の謡となって脳裏を覆った。

 だが、その匂いのためか、自分が再び起き上がっているのを知ると、少し前屈みのままカウンターへ戻った。雨は静かに降っていた。流れるような音楽は、彼女が付けるマッチの音を掻き消すほど大きくはない。

 雑誌を読むではなし、外を眺めるではなし、彼女は紫煙をくゆらせながら、時たま、思い出したかのようにカップに唇を付ける。宙を泳がす瞳は微かに濡れている。組まれた足は、薄色のストッキングに包まれ、足首の細さが印象的である。暫くして、彼女はトイレに立った。

(いい女だなァ・・。見ているだけで・・)自分は、再びいきり立とうとする物を必死に気をそらし静めようとした。戻った彼女は、一旦は席に着いたものの、直ぐに立った。

「あ、ありがとうございます」自分は、彼女から勘定を受け取った。その時、彼女からは、来た時には漂わなかった香水の香りがした。「この香り」思わず声を出した自分ではあったが、彼女は何食わぬ顔をして店を出て行った。

「この香りは・・」一人残された店内で、自分は必死に記憶をたどっていた。母親が付けていたものでもない、昔付き合っていた女が付けていたものでもない。しかし、確かにどこかで嗅いだことのある・・。

「いつ、どこでだったんだろう」灰皿のなかに残されたルージュの着いた吸殻を見詰め、カップのなかに少し残されたコーヒーを見詰めた。だが、その匂いのためか、自分が再び起き上がっているのを知ると、少し前屈みのままカウンターへ戻った。

 女は、それからも度々訪れるようになった。「アメリカンとマイルドセブン」オーダーはいつも同じで、三本の煙草を口にして、トイレに立って香水を付けると出て行った。時間は決まって同じで。殆どの場合、店のなかには彼女と自分の二人しかいなかった。

 例の夢も、頻繁に見るようになった。しかし、相も変わらず最後の一線は超えることができない。「身体中を舐めつくした。 フェラチオ、シックスナインもした。イラマチオすらしても発射することは出来ない」

 疲れた日なんかは、彼女の姿を見ると、夢のなかの出来事がリアルに思い出され、なまらなくなり、トイレで放出してしまうこともあった。「こ、このままじゃあ、理性が外れてしまう」下半身は常に重く疼いていた。もはや、薄着の女性を見るだけど、血の流れの変わるのが分かった。

「抱きたい。現実のあの女を抱きたい」悶々とした日が続き、もはや限界が見えてきた頃、チャンスは自ずから訪れた。その日も、昨夜の夢のために気が付くと右手はズボンのふくらみを撫でていた。

 季節は夏も盛りとなっていて、冷え過ぎた店内では身体の調子も芳しくない。よく晴れた水曜日の午後、いつものように彼女は現れた。「いらっしゃいませ」何かに期待を込めて、声を掛けた。その日、彼女は珍しくカウンターに席を取った。

「アメリカンとマイルドセブン」彼女はいつもの声でオーダーを通んた。自分は、ドキドキしながらコーヒーをたてた。その間、彼女は宙を見詰めて煙草を燻らせていた。「お待たせしました」自分は、手の震えるのを自覚しながらカップを差し出した。

 蝋細工のような白い指先は、カップの把手を三本の指で摘み、小指は遠慮がちに立っている。少し伸ばされた爪に塗られたマニキュアは唇の色と同じである。

「あ、あのゥ」自分は勇気を振り絞って声を掛けた。彼女は、静かにカップを置いてこっちを見る。「なあに~」その無邪気ともとれる事の出来る声で、五回はマスターベーションができそうだ。

「い、いやあ、今日は暑いですね」もはや自分を見失い、つまらないことを口走っている。
「そうね」彼女は興味なさそうに答えた。
「いつか、どこかでお会いしたことなかったですか?」

「この店で会っているわ」
「いや、そうじゃなくて、何て言うか、昔どこかで・・」彼女は黙って煙草に火を付けた。
「そうね、私もそんな気がする」「でしょう!」自分は、思わず大きな声を出してしまった。
「特に貴方のコロンの香り、どこかで鼻にした記憶があるんですよね」 彼女は、その言葉を聞いて少し微笑んだ。

「それ、ナンバのつもり~」
「そ、そう言うわけじゃ・・」うろたえる自分の姿を見て、彼女は両手で口を隠して笑った。そのベージュのブラウスは、袖口が大きく、腕を上げると中のプラジャーがまともに目に入る。

 豊かな膨らみは、今にもこぼれ落ちそうである。
「貴方、今日お仕事何時まで?」彼女はにこやかに言った。
「はい、五時までです」「それじゃあ、五時過ぎに駅で待っているから、よかったらお食事でも一緒にどう?」

「は、はい!」と、自分ははちぎれんばかりに首を縦に振った。
「じゃあ」彼女はそのまま立とうとした。

「あっ、煙草お忘れですよ」「いいの」彼女は振り向いて言った。
「もう必要ないから」そう言い残すと、勘定を置いてドアの向こうに消えて行った。
 自分一人残された店内には、心地よいブルースと、彼女の残り香だけが漂っていた。

夕暮れの時のホテルのレストランは、色んな人間で一杯である。ウィークデーなので、家族づれの居ないのが何よりも幸である。

「私は食事の前にシェリーをいただこうかしら。」
「じゃあ、僕も・・」一回り小さいワイングラスのようなものに、その酒は薄い黄金色をしていた。

「じゃあ、乾杯」グラスが小さな音を立て、夜が始まった。食事をする女の姿が色っぽいのは、少し前から知っていた。銀色をしたフォークを唇で挟む仕草は、それなりに性的興奮を呼び起こす。彼女の口に白濁のポタージュが飲み込まれるのを見て、自分は、我を忘れて見惚れてしまっていた。

「どうしたの? いただかないの?」茫然とする自分の姿を見て彼女は言った。
「いえ。いや、猫舌なもんで」慌ててスープを口にすると、余りの熱さに吹き出してしまった。

「ほんとに熱いね」彼女は、その姿に笑いだした。
「貴方、見かけによらず楽しい人ね」
「そう見えませんでした?」

「ええ、昔はね」「昔?」自分の問いに彼女は答えなかった。魚料理が運ばれ、ドイツの白いワインが注がれる。
「お強いんですね」「今日は酔いたいの」「どうして?」

「さァどうしてかしら」と出された肉の塊を、彼女は口に運ぶ。癖なのか、時たまだす舌の動きは、艶かしく、卑猥である。コースは総て終え、コーヒーを飲みながら彼女は言った。

「貴方のたててくれたコーヒーの方が美味しい」「それは光栄です」「貴方、私のコロンの香りを覚えていてくださったのね」
「いえ、はっきりとして記憶はないんですが、なぜか凄く懐かしくて」

「・・懐かしいでしょうね。随分前のことですもの・・彼女は意味あり気に口にした。
「部屋をとってあるの。貴方の好きだったスコッチを用意してあるわ」
「僕の好きな?」彼女は微笑みながら言った。

「貴方は今日から私のことを思い出していくのよ。そう、何もかも」酔いのためか、上気して、ピンクに染まった頬、そして、一層潤んだ瞳。 自分には、もはや彼女の口にする言菓など、耳の中に入ってこなかった。

 薄暗い部屋のなかには、セミダブルのベッドが二つ。これから始まるであろう事の期待を嫌がおうにも盛り上げてくれる。スタンドに照らされたテーブルの上には、小振りの角の取れたキューブのボトル。

「オールド・パー」「そう、貴方、大好きだって」彼女は右手でボトルのネックを持ち、軽く唇をした。「確かに好きだけれど・・。貴方の言うことには、何か、僕には理解できないところがある」

 彼女は、そんな僕のことなんかお構いなしに、ボトルを元の状態に戻した。「シャワー、浴びてきていいかしら」「ええ」髪を軽く掻き上げ、彼女はシャワールームに行く。自分は、少し冷静になりつつある頭で、これまでのことを思い返していた。

「何か、旧知の仲のように俺のことを話している。けれど、俺の脳味噌のどこを探してみても、彼女と出会った記憶はない。じゃあ、彼女は俺の夢のなかに現れるのを承知しているのか。そんな馬鹿な・・」自分は、ベッドの上に仰向けになり、煙草を一本取り出した。

「煙草は吸わない。 吸う必要がない。俺の気をひくための演技。何の為に、どうして」シャワーの音がとまり、扉が開いた。「気持ちよかった。貴方も浴びてくれば」黄色いタオルは、豊満な胸の膨らみでかろうじて留まっていた。剥き出しにされた太股は、俺の性欲をくすぐった。

「お酒の用意しておくわ。最初は水割りだったわね」自分は、もはや疑問を問い返すことはしなかった。もしも、彼女が何らかの理由で、自分を使って一人芝居をしているとしても、それに従うつもりだった。

 身体を打ち付ける熱い湯は、ほろ酔いの肌に心地好い。(一人芝居をしているにしては、俺の好みを何もかも知りつくしている。調べた? 興信所でも使って。そうする理由は~誰かの代理。それにしても、それなら、俺の夢は。予知能力。予知夢。そんな物は何年も前から見続けるものなのか)

 今一つ釈然としない気持ちを抱きながらもこれからのことを思い浮かべると、自分の男としての機能は、触れるだけで爆発しそうなほど昂っていた。部屋に戻ると、女は衣装を身に付けていた。

「あっ・・」自分は女の姿を見て息を飲んだ。「こちらへいらっしやい。用意は出来ているわ」白いブラウスに黒いタイトスカート、半ば乾ききっていない髪は、肩の上に垂れ下がっている。

 「はい、あなたのガラス」女は近づき自分の前に薄い琉拍色のグラスを差し出した。「ああァ・・」「まだダメよ。まずは乾杯してから」「か・ん・ぱ・い」彼女は微笑んでベッドヘ腰をかけた。自分は、その冷えきったウイスキーを一気に飲み干すと、大きな溜息をついた。

「あい変わらず強いのね」彼女は上目使いで自分を見る。そして、グラスに口を付けると、瞳を伏せて喉を鳴らした。「貴方はどうして・・」自分は、疑問をぶつけることでこの場の状態が変わることがないと確信すると、敢えて、今まで口にしなかった言葉を吐こうとした。

 だが、彼女は人差指をすました鼻の前に差し出してそれを刺し「貴方の言いたい事は分っているわ。けれど今夜はこのままでいて」と表情を変える事なく言った。

「とにかく、そんな所に立ちつくしていないで、こちらに来れば」彼女は長い足を組みながら言った。自分は、バスタオル一枚巻いたままの格好で、彼女の隣に腰を静めた。

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最終更新日 : 2019-10-16