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2015-06-12 (Fri)

スーパーで知り合いになった人妻・・1/2

 暢気な大学生をしてた頃の話。地方都市に進出してきた大型スーパーでバイトをしていました。基本は飲料水なんかの品出しとか重いもの中心、スポーツとバイクが大好きでそのための資金を稼ぐのが目的。

 身長が185cmあるんでパートの叔母さん達には「ケン君背が高いねぇ」とか言われて、高い所の荷物をひょいと降ろしてやるとなぜか拍手して喜ばれた。


店頭では買いずらい「大人のおもちゃ」をAmazonで・・♪

 休憩中とか「ケン君彼女居るの?」とか「体も大きいからアソコも大きいでしょ」みたいな、笑いながらセクハラしてくる叔母ちゃん達も結構多くて、嘘か本当なのか「いつでも良いわよ」みたいな事を言う人も多かった。

 ただ、まあそういう人は見るからに叔母さんというか、もう御婆さんなので勿論笑って流すだけ・・個人的に年上は嫌いじゃないけど、年上過ぎるし下品な感じの人はNGだったしね。そんな時に一人綺麗で大人しい人がレジ打ちの新人で入ってきた。

 店長が「顔が良かったからw」と冗談半分で採用したようなこと言ってた。確かに言うだけあって顔は凄い美人でナイスバディだった。名前はマキさん年齢は35歳、俺と15歳差。見た目は全然20代後半で通用するし何より20代にない独特の色気があった。

 芸能人だと長谷川京子さんに良く似ている。でもこの人、見かけによらず凄いドンくさい人だった。レジも全然上手くならなくて、美人な事もあってレジ部の女性陣からすっかり浮いてしまっていた。休憩室でも一人ポツンとしてて所在無さげ・・

 その日もお釣りの渡し忘れと、常連の口うるさい嫌味なババアなお客さんから遅いとのクレームで散々いびられた後だった。肩を落として疲れきった背中を見て、これは長くないなとか店長と話してた。因みに俺と店長は同じ大学の先輩と後輩ってことで意気投合。

 飲みに連れて行ってもらったり凄い親切にしてもらってた。因みに凄い美人の奥さんがいて、凄い愛妻家可愛い娘さんも2人いる仕事も出来るから、凄い尊敬してる。ある日バイト先に行くと店長が俺を呼び出した。

「すまんケン、今日から内沢さん(マキさん)お前の所(品出し)で教えてやってくれないか」「えっ?」話を聞くと、とうとうマキさんへの不満がレジ部で爆発。「美人だから許されるのか」とか「マキさん辞めさせてください」とかまあ良くある話になったらしい・・

 店長はマキさんを辞めさせることも考えたらしいが、家の家計が厳しいマキさんやっと見つけた仕事を辞めたくないらしくて、泣きつかれたらしい。女性の涙に弱い店長は苦肉の策で俺の所に振る事に下らしい。

「鮮魚部は気が荒い人ばっかりだし、惣菜部は時間までに仕上げないといけないからバタバタしてるからさ、お前のところならお客さんに直接急かされないから彼女もなんとか出来るだろ」
「でも、うちはうちで肉体労働多くてハードですよ?大丈夫ですか?」
「その時はその時で辞めて貰うよ」
「解りました」
という事でマキさんを呼んで紹介された。

 挨拶はする程度だけど、直接話をするのは初めてだった。「よろしくお願いします!」15歳も年が違う年下相手に細い体を90度に折り曲げて挨拶するマキさん人は良いんだろうなとは思った。

「とりあえず棚を見回って商品の前出しが基本です。」
「場所はやってるうちに覚えますから」
「はい」
「足りないものをメモにとってバックヤードに・・台車つかって・・重いものは無理に一人で運ぼうとしないでくださいね、怪我が怖いしお客さんにとっても迷惑で危険ですから」
と、仕事の基本を教えた。

 まあ、ぶっちゃけ品出しは体力に自信があるならレジなんかよりよっぽど楽チンだ。面倒なお客の相手をしなくて良いし、お金を扱わないから、レジ部のようにギスギスしていない。「大きなものは俺がまとめてやっちゃうので、細かいお菓子とかお願いしますね」「はい!」マキさんは仕事は真面目だし丁寧だが、確かに致命的に遅かった。

 これじゃあレジは無理だわと思った。品出し担当は大きな店の割りに数人しか居ない。とにかく少人数でバンバンだして並べるので結構大きな店舗でもそんなに大勢は必要ない、専門でやってる奴が入れば大概の場合平常時は、一人で事が足りる・・なので殆ど俺がシフトの時は相方はマキさん一人だから、必然的に2人で行動する事が増える

 マキさんは他の人たちが周りにいる時は硬い表情だけど、俺と2人でバックヤードにいる時はニコニコして冗談とかも言い合ったりしてた。ただ、そういうのがまた叔母ちゃん達には面白くなかったんだと思う。俺への態度は皆にこやかだけど、影ではマキさんへの陰口は酷くなった。

「店長に色目を使って残った」とか「ケンくんを今度は狙ってる」とか「ごめんなさいね、私のせいで変な事言われて・・」
「そういう噂を一々気にするのは良くないですよ、ソレより今日の仕事を確りこなす事ですよ」
「そ、そうですね・・ダメだな私・・」
「ほら、そういう落ち込みは今は必要ないですからこれ持って行って下さい!」
「はい!!」

 仕事はきっちりやる主義なので仕事中は年齢は関係ない。出来る奴が上を取れば良い、これは店長の主義で内のスーパーには年功序列はない、鮮魚部も若い兄さんがチーフやってるし、レジ部も仕事が一番速い20代のお姉さんが仕切ってる。

 だから、仕事中はマキさんにあーだこーだ遠慮なく支持をだす。マキさんはバタバタしながら毎日それを一生懸命こなしている。多分レジには向いていなかったんだろう、確かに機敏さは無いが、結構タフな人だった。意外に品出しではへこたれずに仕事をしている。

 この時間帯は此処が品薄になりやすいから補充を手厚く・・みたいに目安を教えておくと結構忠実に覚えてくれていて丁寧にやってくれる。こまごました作業は苦手な自分は大物担当で、小物はマキさんに振っておくようなチームワークで仕事をこなしていた。

 仕事をちゃんとこなしているうちにマキさんも自信を持ってきたのか、少しずつ明るい表情でイキイキと仕事をするようになった。お店の年末、店長が主催しての忘年会、パートの叔母さんから惣菜部 鮮魚部 肉 野菜 冷凍 レジの社員勢ぞろいで、色々ドロドロしたものもあるが、基本仕事に熱い人たちばかりなので飲み会はおおいに盛り上がった。

 いつも仕事を2人でこなしていたので、当然のようにマキさんは俺の隣に座り、俺は店長の隣なのでマキさんもいささか安心だったのかそれとも、店の店員の中にはマキさんを狙ってる人もいて、しつこく言われて困ってるといっていたからそういう人たちからも逃げたかったのだろう。

「ふう」マキさんはあまりビールに強くないらしく、チューハイをグラスに一杯目を握ったまま・・既に一口で赤くなっていた。胸元が大きく開いている服なので胸元が微かに赤く上気してるのが色っぽかった。

「マキさんお酒弱いんですね」「ええ・・こういう席もあんまり経験なくて、いつも家に居たから」一次会が終わり二次会へカラオケにただ、俺は大学の課題があったために今回はそこで帰ることに、マキさんは唯一の話し相手である俺が帰るから心細いのだろう。

「あの、私もそれじゃあ帰ります。」と立ち上がる
「あれー内沢さんかえっちゃうの?」酔っ払った精肉部の人が絡んできた。
「はい夫が待っていますので」
明らかに困った顔のマキさん

「えー良いじゃない~」としつこいそのうち周りの女性陣がその騒ぎを見て「またあの人だわ」って感じに「ほら、A君!二次会いくぞ!」一瞬空気が悪くなるタイミングで、店長がすかさず割ってはいり精肉部のAさんを捕まえる。

「それじゃあ店長お先します」
「おう!マキさんちゃんと送っていってくれ」
「はい」そのままお店を後にして2人繁華街を抜けて駅に・・

 俺とマキさんはお互い反対方向なのでそこで駅のホームを別々に
「じゃあ、俺こっちなんで、今日はお疲れ様、また明日からよろしくお願いしますね」
「はい此方こそ!」とまた丁寧にお辞儀。

 そのまま俺は別れて階段を上ってマキさんと反対のホームにでて、電車が来るまで駅のベンチで缶コーヒーを飲んでいた。ふと見るとなんとマキさんが駅の階段を上がってコッチに歩いてきた。

「どうかしました?」
「あの・・」
「?」
「・・・」
何か言いたげだが、なんと言うべきか迷うように何度も視線が地面と

 俺をいったりきたりしていた。「あの~ご迷惑じゃなければもう少し2人でお話できませんか?」そこは俺のアパートの近くの24時間営業のレストラン「よく此処でレポート書いたりしてるんですよ」「・・・」

 マキさんは駅での発言のあと電車の中でも俺の隣に座って、ガチガチに固まっていた。「それで何か話したい事があるんですか?」2人コーヒーを頼んで向かい合って座る。「あの、なんていうか、私・・」マキさんの話は要約すると・・

 ずっと箱入り娘で、大学生時代に初めて付き合った相手が今の旦那。しかも大学の教授らしい。親の反対を押し切って年の離れた旦那と結婚。バイトや仕事なんてしたことがなくてずっと専業主婦をしてきたらしい。それで数年は幸せだったそうだ。

 だが中々子供は出来ずに不妊治療に通うように・・そして1年前に旦那が糖尿でEDに夫婦仲も、そこから急激に冷え込んでいったそうだ。旦那は家に寄り付かなくなって最近では生活費も滞るらしい。家出同然で実家を飛び出したので親に頼る事が出来ず、仕事を探して飲み屋などにも勤めようとしたものの、お酒に弱くて話にならず・・

 スーパーのバイトに出てみたらレジが上手くいかない、友人も出来ず誰にも相談できない「自分はなんてダメなんだろう」と自信をなくしていた。そんなところに品出しに回されて、俺に厳しくだけど丁寧に教えて貰えて凄く嬉しかったと・・それで何時かはゆっくり話を聞いて欲しかった。

 それで今回思い切って声をかけたのだそうだ。

「ごめんなさい、こんなおばさんに言われても困るよね、でも他に頼れる人が居なくて、もう限界で、話を聞いてもらえるだけでもすっきりするかなって」
「あの~迷惑なのは解ってるんですけど、たまにはこうして2人で話を聞いてもらえませんか?家では誰も居なくて、一人でとても寂しいんです」と、随分思いつめたように話すマキさん。

 俺もそういうことなら良いかなとたまに仕事終わりにこうやって、2人で話す位なら良いかと承諾した。まあ、ぶっちゃけ少し期待してたとは思うでも店長に信頼して負かされたわけだし、手を出すのは不味いよなって思ってた。

「ごめんなさいね変な事頼んで、でも私には本当に他に相談に乗ってもらえるような人が居なくて」
「まあ、構いませんよコレも仕事の内ですよ」
恐縮するマキさんに気を使って言ったつもりだったが、ソレを聞いたマキさんは「ありがとう・・」と少し寂しそうに笑っただけだった。

 それからは週1回くらいの割合で仕事が終わった後マキさんと、喫茶店なんかで話をするように、内容は主に仕事の事が中心。あの辺はこうした方が良いとか、あさっての売り出しは俺が此処を担当するからマキさんはあっちでとか、あとは、マキさんの愚痴とか、レジ部の嫌なおばさんの話。


 未だにしつこく言い寄ってくる精肉部のAさんの話など、そういう話題が尽きてくると俺が好きな映画の話とか、殆ど俺が話してるだけだけどマキさんはニコニコ話を聞いてくれた。マキさんは前よりずっと元気になってて、話していると凄く幼く感じるところとかもあって、最初は綺麗な人って感じだったけど・・

 俺の冗談にコロコロ笑うところはどこか、年下のような雰囲気で可愛い感じの人だと思った。ところがそんな喫茶店デートが店の中で噂になってしまった。どうやら何処かで2人で居る所を見られたらしかった。

 仕事は確りしてるので表立って何かを言われないけど、どうも影で色々噂の的になっているらしい・・「おい、お前等まさか」と店長に呼び出されたが「いえ、仕事の事で色々反省会をしていただけです、やましい事はありません」と正直に言う。

「お前の事だから嘘はないと思うけど、相手は一応人妻だからなこういう職場だし気をつけてくれ」といわれた。という事で暫く2人で会う事は控えようという事で、話はメールや電話でという事になった。

 また、仕事もシフトをズラしてお互い別々の人と組む事に「真面目に仕事をやってさえ居ればこういう噂は消えますから」とマキさんにメール「解りました・・私のせいで本当にごめんなさい」直ぐにマキさんから返事。

「そういう落ち込みは必要ないですよ、コレは2人が招いた事ですからお互いの責任です。」
「失った信用は仕事でちゃんと取り返しましょう」
「はい」それで暫くは2人違う時間帯で仕事に励む事に・・

 マキさんは新しいパートナーの叔母さんにこき使われながら、毎日それでも頑張っているようだ。そうこうしている間にお互いメールを送りあう頻度も少なくなっていた。やはり年も離れていて、日頃に接点がなくなると二人は中々共通の話題もなくすれ違っていった。

 俺はメールが苦手な事もあって、マキさんから「お元気ですか?」とかメールが来ても、今一気の利いた返しが出来ないもんだから余計だった。そんな事が3ヶ月くらい過ぎたある日、その日は俺はシフトが休みで家でゴロゴロ・・夜の9時過ぎだった。

 テーブルの上の携帯が鳴った。出るとマキさんだった。実に2週間ぶりの電話だった。最近では殆ど会話がもりあがらず、時々話をする程度になっていた。

「どうしたんですか?」
「あの~私・・」電話のマキさんの声は元気がなくて幽霊みたいだった。
「私寂しくて、それでダメだって思ったんだけど」
マキさんはその日も仕事が終わった後一人ポツンと駅ホームに立っていた。

 そのまま電車に乗れば自宅に帰れたのに、俺の家がある方面のアナウンスが聞こえて、フラフラと俺の家のある方面のホームにあるき・・そのまま気がついたらあの24時間のレストランの前に来てしまったというのだった。レストランへいくと一人ポツンと席に座っているマキさんがいた。

続く

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最終更新日 : 2019-05-13