ある「マンション」と「紳士」の秘密

 タクシードライバーは、ただ乗客を運ぶだけで、その目的地の先にあるものには、あまり好奇心を抱かない。だが、たまには、「なんだ?」と思うことだって、やっぱりある。


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 39歳の、法人タクシーに勤めるドライバーのAさんは、学生街にある1Rの駅前から、1人の紳士を乗せた。年齢は40代後半といったところ、身なりや雰囲気からして、銀行員か公務員、とにかくカタい職業に従事していそうな感じである。

だが、その行き先を聞いたとたん、Aさんは「あれ?」と思った。「Qマンションまで、裏に駐車場があるから、そこに入れてくれ」Aさんは以前、これとまったく同じことを、別の乗客にもいわれたことがある。

 これだけなら不思議でもなんでもない。が、よく覚えているのは、そのマンションの駐車場で、「30分くらいここで待っててくれ」といわれたからだった。そのとおりにすると、今度は「駅まで戻ってくれ」といわれたのだ。

 そして、このときも、Aさんは同じようにマンションの裏の駐車場に入れた。するとどうだろう。この前のときと同じように、「30~40分くらい、ここで待っててほしい」というではないか。あたりを見ると、別の会社のタクシーがそこにいて、自分と同じようにマンションの中から降りてきたお客を乗せ、走り出したところである。

 待たされる間のヒマも手伝って、Aさんはマンションの入り口に行ってみた。7階建てで壁面は白く、築7~8年ぐらいの、いかにも平凡な家族が住んでいそうなマンションである。目の前にエレベーターがある。その電光板の数字が動き、6階で止まった。慌ててAさんがタクシーに戻ると、さきほどの紳士がかばんをふくらませて帰ってきたのである。

(6階か。あのマンションに何があるんだろう)

 気になったAさん、営業所に戻って仲間に聞いてみた。すると、やはりそこにお客を運んだ人がいるという。「もしかしたら、なかなか手に入らない地酒を売ってるとか、メチャメチャ安い酒が置いてあるとか・・」根っからの酒好きのAさん、その〝一室″の正体をいろいろ想像してみるが、考えつくのはお酒のことばかり。

「よし、今度確かめてみよう」

 そう思ったAさん、非番の目を待ってQマンションに出向き、その正体を確かめてみることにした。裏の駐車場から入って、エレベーターに乗る。行き先はわかっている。6階だ。チンとエレベーターの扉が開いて、Aさんはそのフロアをのぞいた。1つだけ、看板の出ているドアがある。ここに間違いない、とノブを回すと簡単に開いた。

 ワクワクしながら、店の中に1歩足を踏み入れたAさん。2歩目を踏み出す前に、全身が硬直した。そこにあったものはなんと、ムチ、ヒモなどの拷問具、犬の首輪のような拘禁具、クサリ、ローソクに20センチはありそうなハイヒール、色とりどりのランジェリーといった女王様用品など、ありとあらゆる〝SMグッズ″がところ狭しと陳列してあるのだ。

 店の人に見つかる前に、Aさんはそこから逃げ出した。だが、その帰りのタクシーの中で思い出すのは、あの紳士のこと。マジメそのものみたいな顔をした中年男性が、「女王さま、もっと、もっと、ボクをイジめて~」 実に人は見かけによらない。

 上京して10年目のAさん、この年にして初めて、都会の秘密を盗み見たような気がしていた。



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