★キャバクラ嬢の容姿について問答

 キャバクラ嬢と言えば、男にちやほやされるばかりの職業だと思われがちだが、実は「好きだ」「可愛い」などの言葉と同じくらいに「ブスだ」「馬鹿だ」などと言われる仕事でもある。

「うわー! すげぇブスが来た」初めて私が澤田の席に着いた時の第一声はこの言葉だった。「全く、この店はいい女いないなぁ。とりわけ、本当、お前はブスだな」




「えー、ごめんなさーい。お客さんってモテそうだしお目が高そうだから、私じゃねー。でも、ちょっとだけお話させて欲しいなー。お願い!」我ながら、随分と切り返しがうまくなったものだ。そう思いながら、私は席に着いた。

 澤田はそれからも私だけではなく、着いた女、そして店のことをひたすらにけなしまくった。「全く、本当いつもここは面白くもない、可愛くもない女しかいねぇな。これで経営大丈夫なのかよ」

 そんなに、面白くもない、可愛くもない女しかいないなら、どうしていつもこの店に来るのだろう。そう思いながら、私は「心配してくれるなんてやさしいー」など適当に声をあげる。

 澤田は余りにもしつこく「ブスだ」「馬鹿だ」と言ってきた。澤田は40代後半で後頭部は禿げ上がり、だらしなく出た腹にサイズの合わないスーツを着ている。全く、自分よりも半分の年齢の女を、自分も省みずにけなしまくって何が楽しいのだろう。

 そう思いながら、私はいつもの笑顔で黄色い声を張り上げ、その日は終わった。しかしその後、澤田は私を指名して店に来た。相変わらず、私のことを「ブスだ」「馬鹿だ」と言い募る。

 そんなにまで、ストレスのはけ口になるサンドバッグ代わりの人間が欲しいのだろうか。私は、最初、うんざりしながら、そう思っていた。だが、ある日、澤田は私にこう言ったのだ。

「ブスだ、馬鹿だと今まで言ってごめんな。俺、自分にコンプレックスあるからさ」自分の見た目に自信がなくて、だから、怖くて、若い女の子にブスだ、馬鹿だと言って試してしまう。

 澤田は、自分の気持ちをそう語った。それから澤田は、延々と私を口説いた。「俺のことを受け入れてくれるのはちえりちゃんだけだよ」私は微笑みを作って首を傾げた。


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